皆さんは歯科医院で歯と歯茎の間を「チクチクする検査」をしたことがありますか?
「あれって何をしているのかな?」「必要なの?」と思ったことはありませんか?
本日はそんな「プロービング検査」についてお話させていただきます。
1.「プロービング検査」って何?
歯と歯茎の間に「プローブ」と呼ばれる専用の器具を使用して、歯と歯茎の境目の「歯周ポケット」の深さを測っています。場合によっては、検査中に痛みを感じることがあるかもしれませんが、「歯周病の進行状態」を知るためには、とても重要な検査です。
3mm以下であれば健康な状態です。
2.歯周病って
歯周病とは歯を支えている周りの組織(歯茎、歯根膜、歯槽骨)が細菌によって炎症を起こし破壊されていく感染症です。
個々人や歯周病の程度によりますが、「歯茎が腫れる」「口臭」「歯ぐきからの出血」「歯がぐらぐらする」「食事の時の痛み」など様々な症状があります。
治療せずに放っておくと、最後には歯が抜けてしまうこともある怖い病気です。
驚くことに実は抜歯の原因第1位は虫歯ではなく歯周病なんです!!
3.歯周病の検査
①歯と歯茎の間にメモリのついた器具(プローブ)を挿入して、歯周ポケットの深さを測ります。これが、歯科医院で行う「チクチクする検査」です。
②その時に歯ぐきからの出血がないかも検査します。
③歯を揺らして動揺度(ぐらぐらしているか)を測ります。
歯周病が進んでいる歯は骨が溶けているので動きます。
④医療用のカメラを使用し、口腔内写真で口の中の状態を検査します。
⑤レントゲン撮影をし、目に見えない(歯茎の下にある)部分や骨の状態を確認します。
4.歯周病の治療
<歯周病が軽度の方>
超音波スケーラーという電動の機械で、歯茎の上の部分についている歯石をとっていきます(歯肉縁上歯石除去)。
必要に応じて、普段歯ブラシでは届かない歯茎の内側の歯石をとっていきます(歯肉縁下歯石除去)。
<歯周病が進行している方>
必要に応じて「FOP」や「歯周組織再生療法」を行います。
- FOP
歯周病の進行が進み、歯周ポケットに溜まった歯石を外側から取り除けないため、歯茎を切開して歯石除去を行う治療です。
- 歯周組織再生療法
重度の歯周病により歯槽骨までダメージを受けてしまったときに行う外科治療法です。
歯周組織再生誘導材(リグロス エムドゲイン)を使い、歯周組織の再生を行います。
麻酔をした後に歯茎を切開し、歯茎の炎症部位を除去し、歯に付着している歯石を除去します。すでに破壊された歯槽骨の再生を促すための薬剤を注入し、メンブレンという骨を作るのを助ける膜を覆いかぶせます。
このように、歯周病が重症化した方ほど、より体に負担や痛みを伴いやすい治療をする必要があります。
プロービング検査は「チクチクして痛いからいやだなぁ」「する必要があるの?」と思うかもしれませんが、歯周病の早期発見、治療の評価に必要な検査です。
歯周病の重症化を防ぐために、定期検診で歯周病検査を行いましょう。